リードとは? 音を出すための振動

サックスを吹く上で音を出すための重要なツールとしてリードが上げられます。
リードは植物の“葦(アシ)”から作られた竹の薄い板みたいなもので、その語源は葦を英語に訳した“Reed”から来ています。

マウスピースにつけられたリードに空気の振動が伝わって震えることで音が出せます。
サックスやクラリネットはこのリードを1枚だけ使うので「シングルリード」と言われ、オーボエやファゴットはリードを2枚表裏に重ね合わせた「ダブルリード」の楽器です。

リードは現在数多くのメーカーから発売されていて、それぞれに違いがあって音色も変わります。
なので、出したいなと思う音色や演奏したい音楽ジャンルに合わせてリードを選ぶことで、よりいっそう幅が広がるものだもあります。

リードの選び方としてはまずソプラノ、アルト、テナー、バリトンそれぞれで大きさが違います。
また、1枚だけ、5枚入り、10枚入りなど本数と価格も違っています。
おすすめのメーカーはバンドレン(Vandoren)、リコ(Rico)などがありますが、他にも多くのメーカーが存在しています。

そして、リードを買ってきたらはじめに箱からリードをすべて取り出して、ぬるま湯に1~2分くらい浸しておきます。
別に何もせずにいきなり吹き始めてもOKですが、はじめのうちはある程度湿らせておいてからの方がだいぶ吹きやすくなります。
すべてのリードを順番に変えながら、適当な音で試奏していき、このときに音の出しやすさ、抵抗感の少なさ、音色の良さを自分の耳を使ってじっくりと確認します。
このときに〇、△、Xなど適当な3段階評価をしておくと後からでも思い出しやすくなります。

そして、次はさらにもう一度、すべてのリードを低音から高音までロングトーン(10秒間ぐらい同じ音を一定の大きさで出す練習法)で音を出します。
このときにさらに5段階ぐらいまでランク付けをして、しっかりとリードの“品質”を見極めます。

このときに評価の低かったリードもすぐに捨てるのではなく、しばらく日数がたってから意外と良くなったりする場合もあるので、ちゃんと保管しておきます。

他にリードに関する情報としては以下のことが上げられます。

「リードは消耗品」

1枚のリードは長く使えてもせいぜい数週間~1ヶ月程度が寿命が切れます。
毎日吹いた場合だともっと早くなるかもしれません。
もったいないと思ってもたくさんのリードを保有して、そのときそのときにベストなものを選び続けることが最良な音色を出す工夫とも言えます。

「リードの状態は日々変わる」

もともと10枚入りでもせいぜい使い物になるのは1~2枚だけ、なんていうこともざらにあります。
ただ、そのときにベストだと思っていたリードに限って早々とへたってしまうことも多いです。
逆に、最初に試奏したときに全くダメだったものも、そのあと時間がたってから吹いてみると良い感じに変わっていることも時々あります。
リードは“生き物”であるという考えを持ちながら、日々の練習に励むことが大切だと思います。

サックスの保管方法は?

サックスは楽器本体のほとんどが金属製でできているので、他の木製のクラリネットやバイオリンと比べるとその耐久性がはるかに上です。

しかし、金属製だからこそサビやラッカー(表面の金属塗装)の剥がれなど気をつけなければならないことが色々とあります。

まず、本体ですが、こちらは専用のケースに閉まっておけば特に問題はないと思います。
ときどき金属表面の手垢などの拭き取り、もしくは艶出しのためにポリッシュと呼ばれる液体をつけて専用の布(クロス)で磨いておくと、金属表面が薄い膜のようなもので守られて購入時のままの輝きが長持ちします。

サックスの大半はラッカーと呼ばれる樹脂由来の塗料のようなもので表面を覆っているので、金属のような輝きは本体の材質である真鍮(=ゴールド色)や銀(=シルバー色)から来ています。
これら金属を守るために覆われたラッカーを大切に保護することが本体の材質そのものを保護することにもなります。

また、ポリッシュは真鍮か銀、つまりゴールドの楽器かシルバーの楽器かでも種類が異なりますので、購入時はよく注意してください。

次にネック、マウスピース、リガチャーですが、ネックに関しては楽器本体と同じ材質なので保管方法はほぼいっしょです。
ただネックにはマウスピースを差し込むためのコルクが存在しているので、これも唾などをよく拭き取って湿った状態のままケースに入れないようにする必要があります。
リードほどすぐにカビが発生するわけではありませんが、コルクも放ったらかしにすると黒く変色して徐々に硬くなっていきます。
いつまでもマウスピースを入れた際の弾力を保つためには、コルクにも気を配る必要があります。
リペアマンのいる楽器店ではマウスピースの口径に合わせて新しいコルクに張り替えてくれるところもあるので、ずっと使ってヘタってき場合には定期的に変えることもお勧めします。

マウスピースやリガチャーは特に寿命が来るような弱い部分はありませんが、リガチャーを購入して間もないときにやっておくと良いことがあります。
何回か使用して使えなくなったリードをマウスピースと買ったばかりのリガチャーにつけっぱなしにしておいて、そのまま箱などに保管する方法です。
これはリガチャーの形が自分が普段吹いているマウスピースの形に徐々に近づけるためだと言われていますが、本当にそうなるかはわかりません(笑)

ただ何もつけていないリガチャーほど不安定で無防備な状態はないので、リードといっしょにマウスピースにでも差しておいた方が無難な気もします。

サックスの掃除・手入れはどこまで必要?

サックスという楽器は口をつけて息を吹く以上、どうしても唾液などで汚れが生じてきます。
掃除しないでほったらかしにしておくと音の抜けが悪くなったり、タンポ(キーを閉じるボタン裏の部品)を交換する必要が出てきたりと、せっかく高価なサックスを購入したとしても、しっかりと手入れを行わないとすぐに修理・メンテナンスしなければならなくなります。

そうならないためにも、毎回の練習の後には掃除をしておくことが大切です。
どうしても毎回するのが大変であれば数日おき、数週間おきにでもしっかりと掃除することが必要です。
楽器の大きさによっても大変さが変わりますが、基本は唾液などの有機物をしっかりと取り除いてやることが肝心で。主にスワブなどを使います。

まず、最初にネックを本体から抜きとり、そこからさらにマウスピースとリード、リガチャーに分解していきます。

最近ではスワブの両側に1本ずつ、計2本の紐がついていることが多いのですが、楽器のベル(ネック差し込み口とは反対の大きな穴)に片方の紐(重りがついていると思います)を入れて、もう片方は中に入らないように手で握っておきます。
重りがついているのでスワブを差し込んで楽器本体ごと逆さに傾けると、その反動で重りがついた紐の先端がネック差し込み口から出てきます。
これで重りがついている方とそうでない方の2本の紐の先端が両側から出ている状態になるので、あとはその両端を持って行ったり来たり交互に動かすだけで、本体内部の唾や汚れがスワブの布に吸い取られます。
よく、一方通行にスワブを何回か通すだけの人がいますが、これだと汚れが取りきれない場合もあるので、やはり交互に動かして内部を磨くイメージで拭き取ることが大切です。

ネックも同様で、両端から1本ずつスワブの紐の先端を出しておいて、何回か交互に動かすだけでほとんどの唾・汚れは落ちます。

マウスピースもスワブでOKですが、内部の角や細かいところはそのまま指を使って丁寧に拭き取る方が良いです。

リードも唾が多くついていればよく拭いた後に十分に乾かすことが必要です。
そうでないと、ケースなどの密閉容器内でカビが繁殖する原因にもなり、リードがすぐにダメになってしまいかねないからです。

このようにして目に見える唾や汚れをしっかりと拭ききった後は、本体のタンポの唾を拭き取る必要があります。
キーの裏側なのでなかなか気づきにくいですが、この部分が楽器本体の中でも一番デリケートな部分でもあるので、入念に掃除しておくべきです。
スワブでは少し大きすぎるので、クリーニングペーパー(楽器店にある油取り紙のようなもの)で本体とキーの間に挟みながら何回かキーを押すことで、裏側についた唾の大半は吸い取られます。

タンポの素材はいわゆる“皮革”で、鹿皮や豚皮であったり色々ですが、本体の金属部分とは明らかに材質の異なるものです。

私たちがよく使う皮革製品としてカバンや靴があると思いますが、それらが雨や水滴でビショビショに濡れたら、普通は何かで拭き取りますよね?
そのことと一緒で、サックスという楽器にはその皮革製品が含まれているという認識を持つことが重要です。

ここに上げた部分以外はほとんど定期的な掃除や手入れはいらない部分だとは思いますが、楽器店のリペアマン(楽器修理専門の職人さん)にお願いすれば、一つ一つ分解して掃除もしてくれます。
自分ひとりではわからないことも多いと思うので、やはり数年に1度は楽器店に持っていって自分の楽器の状態を確かめてもらうことも必要ではないでしょうか。

マウスピースのくわえ方

マウスピースのくわえ方については、基本的なことはいっしょですがクラシック、ジャズなどの音楽ジャンルによって様々に異なります。

またソプラノ、アルト、テナー、バリトンの種類によってもマウスピースのサイズが変わりますが、基本的なことはすべて共通しています。
まず、下唇を下前歯に巻き込んで少し噛みながらクッションを作ります。
そのクッションの上にリードが乗っかるようにして、上前歯をマウスピースの先端から1~2cmのあたりで噛みます。
ずっと噛んでいると下唇が痛くなってアゴも疲れてきますが、慣れてくると徐々に平気になってきます。
このスタイルは主にクラシックで求められるマウスピースのくわえ方になりますが、最も基本的な方法でしっかりとした音を出すことが可能です。

一方で“サブトーン”と言われる擦れた息音混じりの音色がジャズなどの音楽ジャンルで求められますが、これは下唇をほとんど巻き込ませずに唇の力のみで下からリードを噛みます。
初めはこちらの方が大変かもしれませんが、これも慣れてくれば長時間でも耐えられるようになってきます。

しかし、両方のマウスピースのくわえ方を自由に変えることは基本的には不可能と言われています。
“二兎追うものは一兎も得ず”とはまさにこのことで、やはりどちらかの音色を追求していくのが理想的だと言えます。

楽器を構えてマウスピースをくわえたら、すべての位置確認が完了させます。
背筋を伸ばしアゴを少し引いて構え、楽器が持ちやすくなるよう位置を探します。
高さが合わなければストラップを上下してベストな位置を探しましょう。
楽器は両手で支えるのではなくて、上前歯とサムフックをかけている右親指だけで支えている、という感覚がポイントです。

サックスの構え方

サックスの構え方

サックスの構え方はよく人に見てもらわないと、自分だけのクセがついてしまってなかなか直せないものです。
楽器を吹きこなせていない人でも、構え方さえしっかりしていればそれなりに上手そうに見られることもあります。
ソプラノ、アルト、テナー、バリトンすべて基本は共通なものなので、しっかりと正しい構え方を身につけることが肝心です。

右手

右手親指の位置は、サックス本体下部裏にあるサムフック(指を引っ掛ける場所)に添えます。
右手人差し指から薬指まではそのまま上から順番にキー(白くて丸いボタン)の上に置きます。
右手小指はさらにその下の二つのキーが隣り合うところに持ってきます。

左手

左手親指はサックス本体上部裏にあるサムレスト(黒くて丸いボタン)の上にそっと置きます。
ここで注意することはサムレストの上に置く親指の位置です。
サムレストの中央あたりにちょうど親指の第一関節が来るようにすると、ちょうどその隣にある細長いオクターブキーもいっしょに操作できるようになります。
左手人差し指から薬指は、右手のときと同様に上から順番にキーの上に置きます。
左手小指はその下左側にある4つのキーが集合したあたりで待機させておくだけです。

指使いは人それぞれ慣れていくうちに自分の一番良いポジションがわかってくるものですが、初めのうちは正しい構え方と手・指の位置を記憶しておくことが大切です。

右腕と左腕はどちらが前に出すぎても良くないし、後ろに引きすぎても良くありません。
それぞれの指の位置を固定しながら、自然にマウスピースが口に持ってこれるように構えることを意識すると、誰が見てもおかしくない構え方になるのではないでしょうか。

最も良い方法は、自分で一番良いと思った構え方のまま、姿見や上半身が映る鏡を見て確認するのが手っ取り早いです。
自分で一番良いと思っていても、鏡を見て客観的に判断するとそうではない場合がとても多いです。

サックスの組み立て方②

サックス本体のマウスピース、リガチャー、リードの取り付けが終われば、あと少しで楽器が吹けますが、その前にもいくつかやることがあります。

ストラップを付ける

ストラップと呼ばれる楽器を自分の首からぶら下げるための紐と金具がセットになったものです。
サックスは人間の両手だけで支えるには少し重過ぎます。
できなくはないですが、間違いなく下で支える右手が筋肉痛になります(笑)
ストラップを首にぶら下げた後に、金具をサックス本体のフックに引っ掛けると首からサックスがぶら下がる状態になります。

ネックを本体に差し込む

マウスピースなどが差し込まれて準備万端になったネックを、そのまま首からぶら下げているサックス本体に差し込みます。
人によってはネックも本体もすべて完成させた状態で最後にストラップにかける人もいますが、どちらでも良いと思います。
ネックを本体にゆっくりと差し込むときは、本体側のネジを最後に締めるのですが、ここであまりきつく締めすぎると音の抜け(吹きやすさ)が悪くなる場合もたまにあるので、様子を見て調整しながら行うと良いと思います。
手を離してもグラグラしない程度ならそれで完璧です。

ストラップを調節する

ネックやマウスピースが差し込まれたサックス本体を自分の顔のあたりまで持ってくると、そのままでは口に入れることが困難な場合があります。
そのため、自然に顔付近にマウスピースが来たときに、そのまま口に入れて吹ける状態になるよう、ストラップの高さを調節します。
ただ、楽器を吹いてるときにだんだんとストラップの金具の位置が下へずり落ちてくるので、適宜上げながら調節する必要があります。

ここまで来たらもう自由にサックスを吹いて鳴らすことができます。

サックスの組み立て方①

初心者の方にもわかりやすくサックスの組み立て方を紹介します。
写真つきで細かく説明してある書籍もあるので、色々なものを参考にしながら徐々に慣れると早く組み立てることができます。

アルト・ソプラノ・テナー・バリトンの種類・大きさが多少違えども、組み立て方の基本は同じです。
サックスは本体がほぼすべて金属でできていて丈夫に見られがちですが、キー(ボタン)を動かすための細かい仕掛けがたくさん施してあるので、意外と壊れやすいものです。
まだ楽器の取り扱いに慣れてないうちは、暗く狭いところで組み立ててしまわないように注意が必要です。
しっかり見えるところでひとつひとつ丁寧・慎重に取り扱うことが大切です。
楽器がすべて“ワレモノ”という認識が必要です。

リードを湿らせる

リードとは植物の“葦”から作られた、竹の薄っぺらい板のようなものです。
これがないとサックスの音色が作れないのですが、リートはある程度湿らせた状態の方が、よく振動してよく振動するので、楽器本体もよく鳴るようになります。
まずはリードを口に含み、充分に水分を含ませ湿らせます。
1分間くらい口に咥えたまま、リードを楽器に取り付けるまで口に入れて湿らせておきます。
マウスピースをネックに差し込む
マウスピースは普通黒いプラスチック製の吹き口のことですが、このマウスピースをまずネック(サックス上部の細い管)のコルク部分にすっぽり挿入します。

リガチャーをつける

マウスピースが刺さった状態に金属製の締め具であるリガチャーを、ネジを緩めた状態でマウスピースにそっと差し込みます。
リードをつける

リードをリガチャーとマウスピースの間にしっかり取り付けて、リガチャーのネジを締めながらちょうど良い位置にリードを固定します。
よくリガチャーより先にリードを取り付けてしまう人がいますが、リードを傷つける原因にもなりうるので、なるべくなら最後に取り付けるのがベターです。
リードを指で押さえてからマウスピースに密着させた状態で、マウスピースの先端が髪の毛一本分ほど出る程度が最も良いポジションと言われています。

サックスがどこのメーカーを買えばいい?

サックスを手軽に始めるには楽器レンタルが良いというのもありますが、ある程度楽器にも慣れてきて本格的に始めたいと思ったときに、自分の楽器として購入することも選択肢の一つになります。
しかし、周囲にサックスの経験者や教えてくれる人がいないと、どのメーカーのどの機種を買えばいいのか分からないことが多いと思います。
まして、楽器は10万、20万を超えるものがほとんどなので、とても慎重にならざるおえません。

そこで、サックスならこのメーカーを買えば間違いない!!という三大メーカーを選んでみました。
サックスを購入する場合には、これを参考に楽器店で試奏(試し吹き)してから最も自分に合うものを選んでみてください。

セルマー(フランス)

自動車の世界で言うとメルセデス・ベンツのようなメーカーでしょうか(ベンツはドイツですが・・・)。
最も世界に名の知れたサックスメーカーであり、価格帯もあまり安いものは新品では存在していません。
初心者の方では少し難易度が高い楽器かもしれませんが、ある程度吹けるようになってくれば、一流のプロも使用する楽器なので、サックス本来の音色や魅力が十分に引き出せるメーカーだと言えます。
バランス・デザインなど全ての点において最高級品で、一度買ったら一生付き合えるようなサックスになることは間違いないと思います。
中でも、アメセル(アメリカンセルマー)と呼ばれる、一時期アメリカで生産された機種はプロの間でもビンテージ楽器として取り引きされています。

ヤマハ(日本)

言わずと知れた日本の楽器メーカーですが、海外のジャズミュージシャンにも愛好家がいたりするなど、初心者からプロまで幅広く多くの人に愛用されるサックスメーカーです。
サックス以外にもピアノ、エレクトーン、トランペット、バイオリンなど、メーカーとしても非常にたくさんの種類の楽器を生産していますが、品質の良さはメイドインジャパンの楽器と称されるほどたしかな技術力を持っています。
サックスの世界ではひと昔前までは初心者専用のメーカーという認識でしたが、数年前に発売したヤマハカスタムという高級モデルでは、フランスのセルマーにも引けを取らないぐらいのバランス・デザイン・音色を実現しました。
サックスはを始めて間もないという方であれば、このヤマハカスタムをぜひお勧めしたいと思います。

ヤナギサワ(日本)

名前のとおりヤナギサワという人が創設したサックス専門の楽器メーカーです。様々な楽器を手広くカバーしているヤマハに比べ、このヤナギサワというメーカーはサックス専門ということだけあって、かなりのこだわりを持ってサックスの製造を行っています。
細部のデザインがセルマーやヤマハとは異なるものの、サックスの本来のあるべき姿や最も良い音色を出すための工夫が随所にあふれており、初心者からプロまで幅広く愛用されるサックスメーカーです。
また、日本のサックスメーカーということもあり日本人の体系に最も合う形で楽器をデザインしているので、テナーサックスやバリトンサックスなどの大型楽器は特に吹きやすく感じます。

ここに上げた3つのメーカーは全国的に取り扱ってる店舗も非常に多く、楽器の故障対応や修理、メンテナンスも気軽に行うことが可能です。他にもお勧めのメーカーは世界中にたくさんありますが、日本国内での購入のしやすさ、持っている人口の多さ等を考えると、この3つのメーカーの中から自分に最も合うサックスを見つける方が良いと思います。

サックスは買う?借りる?楽器レンタルについて

サックスはもとより楽器の経験がない方にとっては、どのような手段で楽器を手にするかが大きな問題です。
もし中学校や高校に通っていれば、吹奏楽部やオーケストラに加入すれば簡単に楽器を手にできますが、大人になってからではそう簡単に楽器に触れる機会もないと思います。

最近は大人のための音楽レッスンがさかんで、ヤマハなどの音楽教室に行けば無料で楽器を貸し出してくれるところもあります。
しかし、やはり楽器は自分の練習したいときにガッツリ練習して技術を伸ばしたいものです。

そんな方のために、最近では楽器屋さんに月¥5,000~8,000ぐらい支払えば、自分の家に持って帰れる完全レンタル楽器というシステムが誕生しています。
もちろんひと月だけ、というわけにはいきませんが、半年~1年ほどの長期間であればかなり手頃な価格で楽器をレンタルすることができるようになりました。

このシステムを使えば、ツタヤのレンタルDVDのような感覚で自宅に楽器を持ち帰り、好きなときに好きなだけ楽器を練習することができます。
このシステムを利用してから楽器に慣れていき、本格的に楽器をやっていこうと決めてから楽器を購入すれば、はじめから大きな出費をせずとも、手軽に誰でも始めることができます。

もちろん、はじめにレンタルした楽器では自分に合っていないと気づいても、途中で別の楽器に変えられるし、ある程度の経験者の方でも、他の楽器に興味があってなかなか手が出せなかったという場合に、このシステムはとても役に立ってくれるものだと思います。

参考情報ですが、サックスの中でも楽器が大きなもの(テナーやバリトンなど)は楽器本体の価格も高いので、レンタルする場合の料金も、他の小さなソプラノやアルトサックスに比べると若干高めにはなります。


サックスをはじめるまえに

サックスには高い音を出すものから低い音を出すものまで大小さまざまな大きさの種類があります。

ここではよく用いられるソプラノサックス、アルトサックス、テナーサックス、バリトンサックスの4種類について紹介します。高い音から低い音の順番で左から右へ「ソプラノサックス」「アルトサックス」「テナーサックス」「バリトンサックス」のようになりますが、ちょうど合唱のパート(女性:ソプラノ、アルト、男性:テナー、バリトン)と同じシステムです。


~ソプラノサックス~

サックスといえば管の中央下あたりで180度曲がっている形をよく想像すると思いますが、このソプラノサックスは一直線が普通です。他の管楽器のクラリネットやオーボエのようなタテ笛のような構え方をします。高音の伸びやかな音色が特徴で、世界的にも有名なサックス奏者「ケニーG」がこのソプラノサックスを使用しています。音程(音の高さ)を調節するのが難しく、サックスの中では最も演奏するのが困難な楽器と言われています。

~アルトサックス~

サックスの中では最も有名な種類で、この形を見たことがある方は多いのではないでしょうか。一番手ごろに演奏しやすく、手に入りやすい楽器であるため世界中のサックス人口の中ではこのアルトサックスが最も多いです。音楽ジャンルとしてはジャズやフュージョン、クラシックなど多方面で用いられます。有名な演奏家としてはジャズサックスの巨匠「チャーリー・パーカー」や日本の「渡辺貞夫」が上げられますが、最近では俳優の「武田真治」もテレビでよく披露しています。

~テナーサックス~

アルトサックスよりもひと周り大きいのがテナーサックスですが、特徴としてはネック(吹き口に近いあたりの管)がゆるいS字を描いて曲がっています。この楽器はアルトサックスよりもジャズやポップスで多用され、ややしゃがれた艶のある音色が特徴です。アルトサックスが“女性的”な音色であるのに対し、テナーサックスは“男性的”な音色とも言えます。有名な演奏家としてはジャズの「ソニー・ロリンズ」や「ジョン・コルトレーン」などジャズの音楽分野でよく用いられる楽器です。

~バリトンサックス~

そして最後にこの4種類の中では最も大きな楽器であるバリトンサックスです。見ての通り楽器の大きさに比例して、その分かなり低い音まで出せるのが特徴で、ロックバンドのベースのような役割を果たします。テナーサックスで曲がっていたネック部分は、ぐにゃりと曲がって1周回転しています。ジャズやクラシックなど特定の音楽ジャンルで活躍するわけではなく、色々な場面で用いられますが、やはり“ベース”としての演奏が多いです。有名な演奏家としては、最近テレビにも出演している東京スカパラダイスオーケストラの「谷中敦」などが上げられます。