サックスをはじめるまえに

サックスには高い音を出すものから低い音を出すものまで大小さまざまな大きさの種類があります。

ここではよく用いられるソプラノサックス、アルトサックス、テナーサックス、バリトンサックスの4種類について紹介します。高い音から低い音の順番で左から右へ「ソプラノサックス」「アルトサックス」「テナーサックス」「バリトンサックス」のようになりますが、ちょうど合唱のパート(女性:ソプラノ、アルト、男性:テナー、バリトン)と同じシステムです。


~ソプラノサックス~

サックスといえば管の中央下あたりで180度曲がっている形をよく想像すると思いますが、このソプラノサックスは一直線が普通です。他の管楽器のクラリネットやオーボエのようなタテ笛のような構え方をします。高音の伸びやかな音色が特徴で、世界的にも有名なサックス奏者「ケニーG」がこのソプラノサックスを使用しています。音程(音の高さ)を調節するのが難しく、サックスの中では最も演奏するのが困難な楽器と言われています。

~アルトサックス~

サックスの中では最も有名な種類で、この形を見たことがある方は多いのではないでしょうか。一番手ごろに演奏しやすく、手に入りやすい楽器であるため世界中のサックス人口の中ではこのアルトサックスが最も多いです。音楽ジャンルとしてはジャズやフュージョン、クラシックなど多方面で用いられます。有名な演奏家としてはジャズサックスの巨匠「チャーリー・パーカー」や日本の「渡辺貞夫」が上げられますが、最近では俳優の「武田真治」もテレビでよく披露しています。

~テナーサックス~

アルトサックスよりもひと周り大きいのがテナーサックスですが、特徴としてはネック(吹き口に近いあたりの管)がゆるいS字を描いて曲がっています。この楽器はアルトサックスよりもジャズやポップスで多用され、ややしゃがれた艶のある音色が特徴です。アルトサックスが“女性的”な音色であるのに対し、テナーサックスは“男性的”な音色とも言えます。有名な演奏家としてはジャズの「ソニー・ロリンズ」や「ジョン・コルトレーン」などジャズの音楽分野でよく用いられる楽器です。

~バリトンサックス~

そして最後にこの4種類の中では最も大きな楽器であるバリトンサックスです。見ての通り楽器の大きさに比例して、その分かなり低い音まで出せるのが特徴で、ロックバンドのベースのような役割を果たします。テナーサックスで曲がっていたネック部分は、ぐにゃりと曲がって1周回転しています。ジャズやクラシックなど特定の音楽ジャンルで活躍するわけではなく、色々な場面で用いられますが、やはり“ベース”としての演奏が多いです。有名な演奏家としては、最近テレビにも出演している東京スカパラダイスオーケストラの「谷中敦」などが上げられます。